よっしー
こんにちは。よっしーです(^^)
今日は、Secretについて解説しています。
背景
Secretについて調査する機会がありましたので、その時の内容を備忘として記事に残しました。
Secretとは
Secretは、パスワードやAPI キーなどの機密情報を保存・管理するためのKubernetesリソースです。以下にSecretの主な特徴と使用方法を説明します:
- 定義:
機密データを保存し、安全に使用するためのオブジェクト - 主な用途:
- パスワードの保存
- OAuth トークンの管理
- SSH キーの保存
- TLS 証明書の管理
- 基本構造:
apiVersion: v1
kind: Secret
metadata:
name: example-secret
type: Opaque
data:
username: base64encodedusername
password: base64encodedpassword
- Secretの種類:
- Opaque(デフォルト):任意のデータを保存
- kubernetes.io/service-account-token:サービスアカウントトークン
- kubernetes.io/dockerconfigjson:Docker レジストリ認証
- kubernetes.io/tls:TLS クライアントとサーバーの証明書
- Secretの作成方法:
- YAML ファイルから
- コマンドラインから(例:
kubectl create secret
) - ファイルから直接作成
- Secretの利用方法:
- 環境変数として
- ボリュームマウントとして
- セキュリティ特性:
- etcd内で暗号化して保存(クラスタ設定による)
- メモリ内でのみ保持(ノードのディスクには書き込まれない)
- RBAC による細かいアクセス制御が可能
- 制限事項:
- サイズ制限(通常1MB未満)
- デフォルトではbase64エンコードのみ(追加の暗号化が推奨)
- ベストプラクティス:
- 機密情報のみをSecretに保存(一般的な設定はConfigMapを使用)
- 必要最小限のアクセス権限を付与
- 定期的なSecretのローテーション
- 外部のシークレット管理システムとの統合を検討(Vault等)
Secretは、ConfigMapと似た使用方法を持ちますが、機密情報を扱うための追加のセキュリティ機能が備わっています。ただし、適切な管理と追加のセキュリティ対策が重要です。
ユースケース
Secretの主なユースケースを以下に説明します:
- データベース認証情報:
データベースのユーザー名とパスワードを安全に保存し、アプリケーションに提供。 - APIキー管理:
サードパーティのAPIサービスを利用する際のAPIキーやシークレットを保存。 - TLS/SSL証明書:
HTTPS通信用の証明書と秘密鍵を管理。Ingressやサービスで使用。 - OAuth認証トークン:
OAuthクライアントIDやシークレットを安全に保存。 - SSH鍵:
GitリポジトリへのアクセスなどでSSH鍵認証が必要な場合に使用。 - Dockerレジストリ認証:
プライベートDockerレジストリからイメージをプルする際の認証情報を管理。 - JWT署名キー:
JWTトークンの署名や検証に使用する秘密鍵を保存。 - 暗号化キー:
アプリケーションでデータを暗号化/復号化する際に使用するキーの管理。 - WebhookのSecret:
GitHubやSlackなどのWebhook設定で使用するシークレットを保存。 - セッション暗号化キー:
Webアプリケーションのセッションデータを暗号化するキーの管理。 - 2要素認証シード:
2FA(二要素認証)で使用するシードや設定情報の保存。 - クラウドプロバイダーの認証情報:
AWSのアクセスキーやGCPのサービスアカウントキーなどを管理。 - メッセージングシステムの認証:
RabbitMQやKafkaなどのメッセージングシステムへの接続認証情報を保存。 - アプリケーション間の共有シークレット:
マイクロサービス間で使用する共有シークレットやトークンの管理。 - バックアップ/リストア認証情報:
データバックアップやリストア操作で使用する認証情報の保存。 - 監視システムの認証情報:
PrometheusやGrafanaなどの監視ツールのアクセストークンや認証情報を管理。 - サービスアカウントトークン:
Kubernetes内部のサービス間認証に使用するトークンの管理。
これらのユースケースでは、Secretを使用することで機密情報をアプリケーションコードから分離し、セキュアに管理できます。また、環境間(開発、ステージング、本番など)で同じアプリケーション設定を使いながら、機密情報だけを変更することが容易になります。
おわりに
今日は、 Secretについて解説しました。
よっしー
何か質問や相談があれば、コメントをお願いします。また、エンジニア案件の相談にも随時対応していますので、お気軽にお問い合わせください。
それでは、また明日お会いしましょう(^^)
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