こんにちは。よっしーです(^^)
今日は、bashにおけるプロセス置換についてご紹介します。
背景
bashにおけるプロセス置換について調査する機会があったので、そのときの内容を備忘として残しました。
この記事のソースは下記のサイトにアップしています。
実行環境について
実行環境は下記の記事を参考にお願いします。
概要
プロセス置換(Process Substitution)は、Bashシェルスクリプトにおいて、コマンドの出力や入力を一時的にファイルやパイプなどのファイルディスクリプタに割り当てる方法です。プロセス置換は、通常のリダイレクションやパイプとは異なり、一時的なファイルやパイプを作成せずに、直接プロセス間でデータを渡すことができます。
プロセス置換は、<(command)
や>(command)
のような構文で使用されます。以下に具体例を示します:
- コマンドの出力をファイルにリダイレクトせずに変数に格納する:
result=$(command)
- プロセス置換を使用して同じことを行う:
result=$(< <(command))
- コマンドの出力を別のコマンドの引数として渡す:
command2 < <(command1)
- プロセス置換を使用して同じことを行う:
command2 <(command1)
- 複数のコマンドの出力をパイプでつなぐ:
command3 < <(command1 | command2)
- プロセス置換を使用して同じことを行う:
command3 <(command1 | command2)
これらの例では、プロセス置換を使用してコマンドの出力を他のコマンドの入力として渡しています。プロセス置換は、一時ファイルの生成を回避し、シンプルで効率的なコードを書くための手段として役立ちます。
ファイルディスクリプタ
ファイルディスクリプタ(File Descriptor)は、UNIX系のオペレーティングシステムで、プロセスがファイルやデバイスとの入出力を行うための抽象的な概念です。各ファイルディスクリプタには整数値が割り当てられ、通常、0が標準入力(stdin)、1が標準出力(stdout)、2が標準エラー出力(stderr)を指します。
n
は通常、0から2までの整数ですが、さらに大きな値を持つことも可能です。n
を使ってファイルディスクリプタを指定することで、シェルスクリプトやプログラムは特定のファイルディスクリプタを操作できます。
例えば、プロセス置換を使用してコマンドの出力をファイルディスクリプタ n
に割り当てることができます。以下に、リダイレクトとプロセス置換を使った例を示します:
# ファイルディスクリプタ 3 にコマンドの出力をリダイレクト
exec 3< <(command)
# ファイルディスクリプタ 4 にコマンドの出力をプロセス置換で取得
result=$(<&3)
# ファイルディスクリプタ 3 を閉じる
exec 3<&-
この例では、exec 3< <(command)
で、command
の出力をファイルディスクリプタ 3 にリダイレクトしています。その後、result=$(<&3)
でファイルディスクリプタ 3 の内容を変数 result
に格納しています。最後に exec 3<&-
でファイルディスクリプタ 3 を閉じています。
ファイルディスクリプタの活用は、特にシェルスクリプトやリダイレクション、プロセス置換を組み合わせた場合に柔軟な入出力の制御を可能にします。
サンプル
diff -y <(ps ax) <(sleep 2; ps ax)
このコマンドは、2つのプロセスリストの差分を表示するために diff
コマンドを使用しています。<(ps ax)
と <(sleep 2; ps ax)
はプロセス置換を使用して、それぞれ ps ax
コマンドの出力と sleep 2; ps ax
コマンドの出力を生成します。そして、diff
コマンドはこれら2つの出力の差分を表示します。
具体的には、最初の ps ax
は現在のプロセスの一覧を表示し、2番目の sleep 2; ps ax
は2秒間待機してからプロセスの一覧を表示します。差分があれば diff
がそれを表示します。
このコマンドを実行すると、2つのプロセスリストの差異が表示されます。例えば、2秒経過間に新しいプロセスが生成された場合や、終了したプロセスがある場合など、その変化が表示されるでしょう。
おわりに
今日は、bashにおけるプロセス置換についてご紹介しました。
何か質問や相談があれば、コメントをお願いします。また、エンジニア案件の相談にも随時対応していますので、お気軽にお問い合わせください。
それでは、また明日お会いしましょう(^^)
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