Go言語入門：Goドキュメント -Syntax:Deprecations-

よっしー

こんにちは。よっしーです(^^)

本日は、Go言語を効果的に使うためのガイドラインについて解説しています。

背景
Docコメント
構文 -非推奨表示-
1. 解説と使用例
2. 重要なポイント
おわりに

背景

Go言語を学び始めて、より良いコードを書きたいと思い、Go言語の公式ドキュメント「Effective Go」を知りました。これは、いわば「Goらしいコードの書き方指南書」になります。単に動くコードではなく、効率的で保守性の高いコードを書くためのベストプラクティスが詰まっているので、これを読んだ時の内容を備忘として残しました。

Go Doc Comments - The Go Programming Language

Docコメント

「Docコメント」は、トップレベルのpackage、const、func、type、var宣言の直前に、改行を挟まずに現れるコメントです。エクスポートされた（大文字で始まる）すべての名前には、docコメントが必要です。

go/docとgo/doc/commentパッケージは、Goソースコードからドキュメントを抽出する機能を提供し、様々なツールがこの機能を利用しています。go docコマンドは、指定されたパッケージやシンボルのdocコメントを検索して表示します。（シンボルとは、トップレベルのconst、func、type、varのことです。）ウェブサーバー pkg.go.dev は、公開Goパッケージのドキュメントを表示します（ライセンスが許可する場合）。そのサイトを提供しているプログラムは golang.org/x/pkgsite/cmd/pkgsite で、プライベートモジュールのドキュメントを表示したり、インターネット接続なしで使用したりするために、ローカルで実行することもできます。言語サーバー gopls は、IDEでGoソースファイルを編集する際にドキュメントを提供します。

このページの残りの部分では、Go docコメントの書き方を説明しています。

構文 -非推奨表示-

Deprecated: で始まる段落は非推奨通知として扱われます。一部のツールでは、非推奨の識別子が使用された場合に警告を表示します。pkg.go.devではデフォルトでそれらのドキュメントは非表示になります。

非推奨通知の後には、非推奨になった理由に関する情報と、該当する場合は代わりに何を使用すべきかについての推奨事項が続きます。この段落はドキュメントコメントの最後の段落である必要はありません。

例えば：

// Package rc4 はRC4ストリーム暗号を実装します。
//
// Deprecated: RC4は暗号学的に脆弱であり、レガシーシステムとの互換性を
// 除いて使用すべきではありません。
//
// このパッケージは凍結されており、新機能は追加されません。
package rc4

// Reset はキーデータをゼロにし、Cipherを使用不可能にします。
//
// Deprecated: Resetはキーがプロセスのメモリから完全に削除されることを
// 保証できません。
func (c *Cipher) Reset()

解説と使用例

Go言語において「非推奨」（Deprecated）の表示は、コードの進化に伴って古くなった機能や安全でなくなった機能を明示するための重要な手段です。以下に詳細な解説と使用例を示します。

1. 非推奨表示の基本

非推奨表示は Deprecated: で始まる段落によって示されます。この表示は、将来的に削除される可能性がある機能や、より良い代替手段が存在する機能に対して使用されます。

使用例:

package main

// OldFunction は文字列を処理します。
//
// Deprecated: この関数は古い形式の入力しか処理できません。
// 代わりに NewFunction を使用してください。
func OldFunction(input string) string {
    // 実装
    return input
}

// NewFunction は文字列を改良された方法で処理します。
func NewFunction(input string) string {
    // 実装
    return input
}

2. パッケージ全体の非推奨化

パッケージ全体が非推奨になる場合は、パッケージドキュメントに非推奨表示を追加します。

使用例:

// Package legacydb は古いデータベース接続方法を提供します。
//
// Deprecated: このパッケージは保守されなくなりました。
// 代わりに github.com/example/moderndb パッケージを使用してください。
// このパッケージは将来のリリースで削除される予定です。
package legacydb

// Connect はデータベースへの接続を確立します。
func Connect(dsn string) (*Connection, error) {
    // 実装
    return nil, nil
}

3. 関数やメソッドの非推奨化

個別の関数やメソッドが非推奨になった場合、それぞれに非推奨表示を追加します。

使用例:

package crypto

// GenerateKey は暗号鍵を生成します。
//
// Deprecated: このメソッドは安全性の低い鍵生成アルゴリズムを使用しています。
// 代わりに GenerateSecureKey を使用してください。
func GenerateKey(length int) []byte {
    // 実装
    return nil
}

// GenerateSecureKey は強力な暗号鍵を生成します。
func GenerateSecureKey(length int) []byte {
    // 実装
    return nil
}

4. 型やフィールドの非推奨化

構造体、インターフェース、型などが非推奨になった場合にも同様の表示を使用します。

使用例:

package config

// OldConfig は設定情報を保持します。
//
// Deprecated: この型は互換性のためだけに維持されています。
// 新しいコードでは NewConfig 構造体を使用してください。
type OldConfig struct {
    Name    string
    Timeout int // 秒単位
}

// NewConfig は改良された設定情報を保持します。
type NewConfig struct {
    Name    string
    Timeout time.Duration
}

5. 非推奨表示の詳細情報

非推奨表示には、非推奨になった理由と代替手段を明確に記述するべきです。可能であれば、非推奨になったバージョンや完全に削除される予定のバージョンも記載すると良いでしょう。

使用例:

package api

// Client はAPIとの通信を行います。
type Client struct {
    // 実装
}

// SetTimeout はリクエストのタイムアウトを設定します。
//
// Deprecated: v1.5.0から非推奨。この関数は秒単位でのタイムアウト設定しか
// サポートしていません。より柔軟な WithTimeout オプション関数を使用してください。
// この関数はv2.0.0で削除される予定です。
func (c *Client) SetTimeout(seconds int) {
    // 実装
}

// WithTimeout はタイムアウト設定を持つClientオプションを返します。
func WithTimeout(d time.Duration) ClientOption {
    // 実装
    return nil
}

6. ツールの対応

Go言語の各種ツールは非推奨表示に対応しています：

go vet: 非推奨の機能を使用すると警告を表示します
gopls: エディタ上で非推奨の機能を使用すると警告を表示します
pkg.go.dev: デフォルトでは非推奨の機能のドキュメントを非表示にします（表示するオプションはあります）
godoc: 非推奨の機能にはその旨が表示されます

7. 継続的なメンテナンスとコード改善のための非推奨表示

非推奨表示はコードベースを改善し、ユーザーに移行の時間を与えるための重要なツールです。

使用例:

package logging

// Logger はログ機能を提供します。
type Logger struct {
    // 実装
}

// NewLogger は新しいロガーを作成します。
//
// Deprecated: v2.0.0から非推奨。この関数はグローバル設定に依存しています。
// 代わりに明示的な設定を受け取る NewLoggerWithConfig を使用してください。
// この関数はv3.0.0で削除される予定です。
func NewLogger() *Logger {
    // 実装
    return nil
}

// NewLoggerWithConfig は指定された設定で新しいロガーを作成します。
func NewLoggerWithConfig(config LogConfig) *Logger {
    // 実装
    return nil
}