よっしー
こんにちは。よっしーです(^^)
今日は、請求先アカウントをリンクさせる方法について解説しています。
背景
請求先アカウントをリンクさせる方法について調査する機会がありましたので、その時の内容を備忘として記事に残しました。
請求先アカウントとは
請求先アカウント(Billing Account)は、Google Cloud Platform (GCP) における課金管理の中心的な要素です。以下に、請求先アカウントの主な特徴と役割を説明します:
- 定義:
請求先アカウントは、GCPの使用料金の支払いを管理するためのエンティティです。これには支払い方法、予算設定、請求書の受け取り先などの情報が含まれます。 - 支払い情報の管理:
クレジットカードや銀行口座など、GCPの使用料金を支払うための方法を管理します。 - プロジェクトとの関連付け:
1つ以上のGCPプロジェクトを請求先アカウントに関連付けることができます。関連付けられたプロジェクトの使用料金は、この請求先アカウントに課金されます。 - 請求書の生成:
関連付けられたすべてのプロジェクトの使用料金を集計し、定期的に請求書を生成します。 - 予算と警告の設定:
特定の金額を超えた場合に通知を受け取るよう、予算と警告を設定できます。 - 課金レポートの提供:
使用状況や費用の詳細なレポートを提供し、コスト分析を可能にします。 - 複数の管理者:
複数のユーザーに請求先アカウントの管理権限を付与でき、チームでの管理が可能です。 - 組織階層での使用:
GCP組織の階層構造内で使用でき、部門やチームごとに異なる請求先アカウントを設定できます。 - 支払い履歴の管理:
過去の支払い履歴を確認し、管理することができます。 - 税金情報の管理:
適用される税金情報を管理し、正確な課金を確保します。
請求先アカウントは、GCPの使用に関する財務面を管理するための重要なツールです。これにより、組織は複雑なクラウド環境でのコスト管理を効率的に行い、使用状況を透明性高く把握することができます。
請求先アカウントをリンクする理由
GCPで請求先アカウントをプロジェクトにリンクさせる主な理由はいくつかあります:
- 課金の有効化:
プロジェクトに請求先アカウントをリンクすることで、有料のGCPサービスを利用できるようになります。リンクしていない状態では、無料枠内のサービスしか使用できません。 - コスト管理:
複数のプロジェクトを1つの請求先アカウントにリンクすることで、組織全体のクラウド使用コストを一元管理できます。これにより、コストの追跡や予算管理が容易になります。 - 柔軟な支払い設定:
異なる支払い方法や予算を持つ複数の請求先アカウントを使用することで、プロジェクトごとに適切な課金設定を行えます。 - 組織構造の反映:
ビジネスユニットや部門ごとに異なる請求先アカウントを使用することで、組織の構造をGCPの課金システムに反映させることができます。 - コンプライアンスと監査:
プロジェクトと請求先アカウントを適切にリンクすることで、使用状況の追跡やコンプライアンス要件への対応が容易になります。 - 予算警告と制御:
請求先アカウントに予算を設定することで、リンクされたプロジェクトの支出を監視し、必要に応じて警告を受けたり、支出を制限したりできます。 - 課金データのエクスポートとアナリティクス:
請求先アカウントを通じて、詳細な課金データを取得し、分析することができます。これは、コスト最適化やリソース利用の効率化に役立ちます。 - 責任の分離:
開発者にプロジェクトの管理権限を与えつつ、財務部門に課金の管理を任せるなど、責任を適切に分離できます。
これらの理由により、GCPプロジェクトと請求先アカウントを適切にリンクすることは、効果的なクラウドリソース管理と財務管理の両方にとって重要です。組織の規模や構造、使用目的に応じて、最適なリンク方法を選択することが推奨されます。
手順
下記のコマンドを実行します。
gcloud auth login
gcloud projects create `プロジェクト`
gcloud config configurations create `プロジェクト`
gcloud config set account `ユーザアカウント`
gcloud config set project `プロジェクト`
gcloud config configurations list
gcloud beta billing accounts list
gcloud beta billing projects link `作成したプロジェクト` --billing-account=`請求先アカウント`
解説
上記のコード群を順番に解説します:
gcloud auth login
- Google Cloud アカウントにログインします。
- ブラウザが開き、Google アカウントでの認証を求められます。
gcloud projects create プロジェクト
- 指定した名前の新しい GCP プロジェクトを作成します。
gcloud config configurations create プロジェクト
- 新しい gcloud 構成を作成し、プロジェクト名で名付けます。
- これにより、異なるプロジェクトの設定を簡単に切り替えられます。
gcloud config set account ユーザアカウント
- 現在の構成に使用する Google アカウントを設定します。
gcloud config set project プロジェクト
- 現在の構成でデフォルトとして使用するプロジェクトを設定します。
gcloud config configurations list
- 存在するすべての gcloud 構成とその設定を一覧表示します。
gcloud beta billing accounts list
- アクセス権のある請求先アカウントの一覧を表示します。
- これは beta コマンドであり、将来変更される可能性があります。
gcloud beta billing projects link 作成したプロジェクト --billing-account=請求先アカウント
- 指定したプロジェクトを特定の請求先アカウントにリンクします。
- これにより、プロジェクトで有料の GCP サービスが利用可能になります。
この一連のコマンドは、新しい GCP プロジェクトを作成し、適切な設定を行い、請求先アカウントとリンクするための完全なワークフローを示しています。これにより、新しいプロジェクトを迅速にセットアップし、すぐに使用開始できる状態にすることができます。
おわりに
今日は、 請求先アカウントをリンクさせる方法について解説しました。
よっしー
何か質問や相談があれば、コメントをお願いします。また、エンジニア案件の相談にも随時対応していますので、お気軽にお問い合わせください。
それでは、また明日お会いしましょう(^^)
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