
こんにちは。よっしーです(^^)
今日は、SvelteKitでWebAPIを操作する方法について解説しています。
背景
SvelteKitでWebAPIを操作する方法について調査する機会がありましたので、その時の内容を備忘として記事に残しました。
標準的なWeb API
SvelteKitは標準的なWeb APIを基盤としています。これにより、以下の利点があります:
- 既存のWeb開発スキルがSvelteKitに適用可能です。
- SvelteKitを学ぶことで、他の分野でのWeb開発スキルも向上します。
これらのAPIは現代のブラウザだけでなく、Cloudflare Workers、Deno、Vercel Functionsなどの環境でも利用可能です。開発中やNode.jsベースの環境では、必要に応じてポリフィルが提供されます。
このアプローチにより、SvelteKitは「プラットフォームを利用する」ことで、効率的かつ標準的な開発環境を提供しています。
ポリフィルとは
ポリフィル(polyfill)とは、次のようなものです:
- 定義:
ポリフィルは、古いブラウザや実行環境で、新しい機能やAPIをシミュレートするためのコードです。 - 目的:
最新の機能やAPIをサポートしていない環境でも、それらの機能を使用できるようにすることです。 - 動作原理:
新しい機能が環境にない場合、ポリフィルがその機能を模倣する代替コードを提供します。 - 利点:
- 開発者は最新の機能を使用しつつ、幅広い環境との互換性を維持できます。
- アプリケーションの一貫した動作を保証します。
- 例:
例えば、古いブラウザでPromiseをサポートしていない場合、Promiseの機能を模倣するポリフィルを使用することで、Promiseベースのコードを動作させることができます。 - SvelteKitでの使用:
SvelteKitは、Node.jsのような一部の環境で標準的なWeb APIを利用可能にするため、必要に応じてポリフィルを使用しています。
ポリフィルを使用することで、開発者は最新の機能を活用しつつ、さまざまな環境での互換性を確保することができます。
Fetch APIs
SvelteKitでのfetchの使用について、以下のポイントが重要です:
- 用途:
fetchはネットワークからデータを取得するために使用されます。 - 利用可能な場所:
- フック(hooks)
- サーバールート
- ブラウザ
- 特別バージョン:
load関数、サーバーフック、APIルートで利用可能な特別なfetchバージョンがあります。これには以下の特徴があります:
- サーバーサイドレンダリング中に、HTTPコールを行わずに直接エンドポイントを呼び出せます。
- 認証情報を保持します。
- 相対リクエストが可能です(通常のサーバーサイド
fetchは完全修飾URLが必要)。
- 認証付きフェッチ:
load外のサーバーサイドコードで認証付きフェッチを行う場合、明示的にcookieやauthorizationヘッダーを渡す必要があります。 - Fetch API:
fetch以外にも、Fetch APIには他のインターフェースが含まれています(Request、Response、Headers)。
これらの機能により、SvelteKitは柔軟かつ効率的なデータ取得メカニズムを提供し、サーバーサイドレンダリングと認証の取り扱いを容易にしています。
Request、Response、Headersインターフェースについて詳しく説明いたします。
- Request(リクエスト):
event.requestとして、フックとサーバールートでアクセス可能です。- 主な機能:
request.json(): POSTされたJSONデータを取得request.formData(): POSTされたフォームデータを取得
- エンドポイントに送信されたデータを処理するのに有用です。
- Response(レスポンス):
await fetch(...)や+server.jsファイルのハンドラーから返されます。- SvelteKitアプリケーションの本質は、
RequestをResponseに変換することです。
- Headers(ヘッダー):
- 入力の
request.headersの読み取りと、出力のresponse.headersの設定に使用されます。
これらのインターフェースを使用することで、SvelteKitアプリケーションでHTTPリクエストとレスポンスを効果的に処理できます。リクエストデータの取得、適切なレスポンスの生成、そしてヘッダー情報の操作が可能になります。
サンプルコード:
# +server.js
import { json } from '@sveltejs/kit';
/** @type {import('./$types').RequestHandler} */
export function GET({ request }) {
// log all headers
console.log(...request.headers);
// create a JSON Response using a header we received
return json({
// retrieve a specific header
userAgent: request.headers.get('user-agent')
}, {
// set a header on the response
headers: { 'x-custom-header': 'potato' }
});
}
FormData
HTML ネイティブ フォームの送信を扱うときは、FormData オブジェクトを操作することになります。
サンプルコード:
import { json } from '@sveltejs/kit';
/** @type {import('./$types').RequestHandler} */
export async function POST(event) {
const body = await event.request.formData();
// log all fields
console.log([...body]);
return json({
// get a specific field's value
name: body.get('name') ?? 'world'
});
}
Stream APIs
SvelteKitにおけるストリーミングの使用について、以下のポイントが重要です:
- 通常のエンドポイントの動作:
- ほとんどの場合、エンドポイントは完全なデータを一度に返します(例:上記の
userAgentの例)。
- ストリーミングが必要な場合:
- メモリに一度に収まらない大きなレスポンス
- チャンク(分割)で配信されるデータ
- プラットフォームが提供するストリーム:
a. ReadableStream(読み取り可能ストリーム)
b. WritableStream(書き込み可能ストリーム)
c. TransformStream(変換ストリーム) - ストリーミングの利点:
- 大規模なデータセットを効率的に処理
- リアルタイムデータの配信
- メモリ使用量の最適化
- 使用例:
- 大きなファイルのダウンロード
- リアルタイムのログ出力
- 長時間実行される計算処理の進捗状況の報告
ストリーミングを使用することで、SvelteKitアプリケーションは大規模なデータや動的に生成されるコンテンツを効率的に処理できます。これにより、アプリケーションのパフォーマンスと応答性が向上します。
URL API
SvelteKitにおけるURLインターフェースの重要なポイントは以下の通りです:
URLインターフェースの役割:
- URLを表現し、その様々な部分にアクセスするための標準化された方法を提供します。
- 主な有用なプロパティ:
origin: URLのプロトコル、ドメイン、ポートを含むpathname: URLのパス部分hash: ブラウザでのみ利用可能。URLのハッシュ部分(#以降)
URLインターフェースが現れる場所:
a. フックとサーバールート内:event.url
b. ページ内:$page.url
c. ナビゲーションイベント内:beforeNavigateイベントのfromとtoafterNavigateイベントのfromとto
- 使用例:
- 現在のパスの取得:
$page.url.pathname - オリジンの確認:
event.url.origin - クエリパラメータの解析:
new URL(request.url).searchParams
- 利点:
- URL操作の一貫性
- 各部分へのアクセスが容易
- ブラウザとサーバー側で同じインターフェースを使用可能
URLインターフェースを使用することで、SvelteKitアプリケーション内でURLを簡単に操作し、必要な情報を抽出できます。これは、ルーティング、ナビゲーション、そしてURLベースの状態管理において特に有用です。
URLSearchParams
URLSearchParams のインスタンスである url.searchParams を介してクエリ パラメーターにアクセスできます。
サンプルコード:
const foo = url.searchParams.get('foo');
Web Crypto
Web Crypto API は、crypto global 経由で利用可能になります。これはコンテンツ セキュリティ ポリシー ヘッダーに内部的に使用されますが、UUID の生成などにも使用できます。
const uuid = crypto.randomUUID();
おわりに
今日は、 SvelteKitでWebAPIを操作する方法について解説しました。

何か質問や相談があれば、コメントをお願いします。また、エンジニア案件の相談にも随時対応していますので、お気軽にお問い合わせください。
それでは、また明日お会いしましょう(^^)


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